研究者情報
質量分析計を用いたトリプトファン代謝産物一斉定量解析
氏名:
藤垣 英嗣
職位:
准教授
所属:
藤田医科大学
医療科学部・先進診断システム開発分野
医療科学部・先進診断システム開発分野
分野:
情報
キーワード:
トリプトファン代謝, キヌレニン, セロトニン, 悪性腫, 精神疾患, 腎疾患
研究メンバー:
山本康子・准教授、齋藤邦明・教授
要旨
必須アミノ酸であるトリプトファン(TRP)は、生体内においてタンパク質合成に利用されるだけでなく、セロトニン、メラトニン、NAD+など生体内で重要な生理活性を有する物質の材料となる。TRP代謝の変動は精神神経疾患や免疫関連疾患をはじめとした様々な疾患で報告されており、生体試料中のこれらの代謝産物測定は疾患バイオマーカーとして期待されている。我々は、内部標準を用いたLC-MSによるTRP代謝産物の高感度一斉定量法の開発を行っている。今回、分析条件を検討し、血清中の16種類のTRP代謝産物が再現性良く測定が可能となったので紹介する。
LC-MSは島津社製のLCMS-8060を用いた。TRP代謝産物17種類の内部標準混合液を健常者血清に添加後、アセトニトリルおよびギ酸溶液を混合し除蛋白処理を行い、上清を試料とした。
LC-MSは島津社製のLCMS-8060を用いた。TRP代謝産物17種類の内部標準混合液をヒト血清に添加後、アセトニトリルおよびギ酸溶液を混合し除蛋白処理を行い、上清を試料とした。17種類の標準混合溶液の希釈系列を作製し、血清試料と同様に処理した。標準混合溶液中の各代謝産物の濃度と内部標準の面積比で検量線を作成し、血清中の各代謝産物の濃度を求めた。
17種類全ての代謝産物において良好な検量線が作成できた。血清中の代謝産物は、5-ヒドロキシトリプトフォールを除く16種類の代謝産物の測定が可能であった。
得意な技術・提供できる技術
- 各種疾患患者血清
- 疾患モデル動物の血清
などのトリプトファン代謝産物の測定を行いたい方はお気軽にお問合せください。